Interview

緑黄色社会 愛知発Femaleボーカル+ピアノPOP=オーガニックな愛を歌うオリジナルな個性はどんなふうに生まれたのか!?

緑黄色社会 愛知発Femaleボーカル+ピアノPOP=オーガニックな愛を歌うオリジナルな個性はどんなふうに生まれたのか!?

今年1月にリリースした初めての全国流通盤ミニアルバム『Nice To Meet You??』が注目を集めている、愛知発・男女2人ずつの4人組。その注目作から半年余りで届けられた新作『ADORE』では、長屋晴子の伸びやかな歌声とpeppeのピアノを中心にした独特のアンサンブルというオリジナルな魅力がいっそう際立ち、いよいよブレイクの期待が高まっている。
ここでは、“バンドをやりたい!”という思いだけで集まった4人が自分たちなりの音楽性をつかみ始めたここまでの気持ちの流れを、メンバー全員に語ってもらった。

 取材・文 / 兼田達矢 撮影 / 高木博史


「本当にただ偶然集まったメンバーなんですよ。どんなものが好きなのかとか楽器はできるのかということも知らず…」

長屋晴子(Vocal ,Guitar)

結成のいきさつから聞かせてください。

小林 最初に僕と長屋がつながって、一緒にバンド組もうよという話になって。でも、その時点ではお互いの歌声を聴いたこともなければ楽器の技術も何も知らないで、ただバンドを組みたいという気持ちだけでまず二人が集まって、そこに他の二人も寄せられてきた、という感じです。

長屋さんと小林さんの「バンド組もうよ」衝動はどういうものだったんですか。

長屋 私は、中学校くらいから“高校に入ったら軽音に入ろう”と決めてたんです。バンドを組みたかったので。それで、高校に入る前からバンドを組める人を探してたんですけど、小林も同じように入学前からバンドを組みたい意思があったので、それでたまたまみつかったというか…。入学前からどんな人がいるかある程度把握できるSNSがあるんですよ。

小林 プロフィールに「⚪︎⚪︎の高校に進みます」「部活は△△に入るつもりです」と書いてると、それでつながるっていう。

長屋 そこで、本当に何も知らないのにたまたまつながって、「じゃあ、バンド組もうよ」という約束をしたんです。で、私はpeppeとも同じサイトでつながっていて、でもpeppeは特にバンドを組みたいという意思はなくて、ダンス部とかチア部とか吹奏楽とか、いろいろ迷ってたんですよ。それが、これもたまたまなんですけど、入学式の日に出会って話したら「鍵盤をやってる」と言うし、私はバンドを組みたかったから、「一緒に組まない?」と本当に軽い気持ちで聞いたら、「いいよ」って(笑)。

では、3人の間で「どんな音楽をやろう」とか「どんなバンドになりたい」というような話はまったくなかったんですか。

長屋 目的を最初に決めて組んだんじゃなくて、本当にただ偶然集まったメンバーなんですよ。どんなものが好きなのかとか楽器はできるのかということも知らず…。

小林 元々、好きで聴いていた音楽も全然違ってましたから。実際にやることになってからも、コピーする曲は自分たちの編成に合わせて選んでいったんです。キーボードがいて女性ボーカルで、というところから例えば東京事変をやってみようかっていう。

穴見さんはどのタイミングで加わるんですか。

小林 高校2年くらいの頃にそろそろオリジナルを作りたいねという話になってきて、そのときにいたベースの子は他のことがやりたいということで抜けてしまったので、もう部外での活動もやってみようということで、僕の幼馴染だった真吾を連れてきたんです。

その時点での3人の方向性ははっきりしてたんですか。

長屋 方向性は…。

穴見 してなかったですね(笑)。入ったときに、何をしていいのかわからなかったですから。僕は、歌があるものだとレッチリとかちょっとハードなものを聴いてたんですけど。

穴見真吾(Bass,Chorus)

小林 でも、僕らとしても、ちょっと変わったベースのフレーズを弾かれても良くないとは思わなかったし…。

長屋 むしろ、プラスだと思ってたんです。普通は、バンドの知識があって、“こういうのをやりたい”と思って組むんだと思うんですけど、私たちは全員が初めて組んだバンドだったから、バンドというものがわからず、ただ歌いたい、演奏したいというだけで集まって、目的とかは後からみんなで探していったような気がします。

お話を聞いていると、バンドをやることが目的で始まったバンドという感じですが、その“バンドをやってる感”を最初に感じたのはどんな場面だったですか。

長屋 オリジナル曲を作り始めて、カバーも含めたライブをライブハウスでやるようになったんですけど、そのあたりからバンドをしているという実感がわいてきました。

小林 人が聴いて、何か感想を言ってくれるとか、学校内だとそういうことがわりと頻繁に起きて、それが楽しくて最初はやってましたね。その後、オリジナル曲だけでライブをするようになってからは、意識がだいぶ変わりましたけど。最初はバンドをやること自体が楽しくて、友達が良く言ってくれるのがうれしいという、ただの部活のバンドだったのが、外に出て演奏し始めて、ライブハウスのスタッフからちょっときついことを言われたり、いろんなことを経験するなかで、僕らに見向きもしないであろう人たちを振り向かせるにはどうしたらいいんだろうというふうに考え方が変わっていって、そうすると曲の作り方も変わったし、ライブの進め方も変わってきたし。だから、いまはチヤホヤされたいとか、そういう意識はないかもしれないですね。

小林壱誓(Guitar,Chorus)

最初はあったんですね(笑)?

小林 (笑)、もちろんありましたよ。最初はそれしかなかったんじゃないですか。

長屋 チヤホヤというか…。

小林 いやいやいや、あったでしょ(笑)。

長屋 (笑)。私は、学園祭で歌った時に目の前にいたお客さんが号泣してるのが見えて、それがすごくうれしかったんですよ。誰かの心に届くというのはこういうことなんだというのを、そこで実感して、そこから人前で歌うのが楽しいというか、うれしいというか、気持ちをつなげていきたいなということをすごく思うようになりました。

つまり、最初は“バンドをやりたい”という自分たちの欲から始まったことが、人を楽しませるということのほうにどんどん比重が傾いてきているということでしょうか。

長屋 そうですね。でも、それで自分たちのやりたいことが抑えられているという感覚はなくて、むしろそうなっていっていることがうれしいです。

メンバー同士の意識にも変化はありますか。

小林 メンバーがそれぞれに歩み寄ってる感じはしますね。

何がそうさせているんだと思いますか。

長屋 緑黄色社会というバンドの存在がだんだんと明確になってきたことがそうさせてるんだと思います。元々は目的も意味も持っていなかったこのバンドが、経験を積み重ねるなかでだんだん形になってきたことによってみんなの気持ちも形になってきたので、このバンドの存在がみんなの意思を固めてるんだと思います。

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