特集"UVERworldニューアルバムリリース記念企画"  vol. 1

Interview

UVERworld ソロインタビュー① 真太郎×『TYCOON』=“満”の意味

UVERworld ソロインタビュー① 真太郎×『TYCOON』=“満”の意味

前作『φ CHOIR』から約3年。渾身の18曲を用意し、満を持してニューアルバム『TYCOON』を放つUVERworld。“実力者”“大物”を意味するタイトルどおり、自他ともに認める超大作に仕上がった。楽曲のクオリティもさることながら、フィジカル面でもCD容量をフルに使い切り、78分59秒の旅にリスナーを誘う。その超話題作のリリースを記念して、ソロインタビュー特集を敢行。本日からデイリー更新でメンバーひとりずつ登場してもらい、さまざまな視点からアルバムを紐解いていく。まずトップバッターはドラムの真太郎。これまでの制作過程からアルバムを出すことの大切さについてまでを語ってくれた。

取材・文 / 本間夕子 写真 / 増田 慶
ヘアメイク / 荒木尚子 スタイリング / 上井大輔


バランスがいいっていうか、すごくキャラの濃いアルバム

3年ぶりのニューアルバム『TYCOON』がいよいよリリースということで。18曲入り、トータルタイム78分59秒という数字にまず驚かされますが。

にじみ出てますよね、3年分が(笑)。やっぱり3年分が凝縮されてるだけ、今までのアルバムとはちょっと違うというか……もちろんお客さんには待たせて申し訳ないっていう気持ちもあるんですけど、でも3年かかっただけのメリットはあって。

メリット。

そう。3年分の流行り廃りじゃないけど、自分たちのモチベーションというのも正直、色濃く出てますしね。1年にとか1年半に1枚っていうペースだと、アルバムごとの旬がキャラクターとしてはっきり分かれていくと思うんですけど、今回は3年分の旬の移り変わりが1枚に、それこそ写真のアルバムかのようにちゃんと混ざってるのはいいなって思いましたね。ベストアルバムじゃないけど、懐かしい曲も入っていれば、新曲も同じだけあって、こうやって並べて見てみるとバランスがいいっていうか、すごくキャラの濃いアルバムだなと。

まさに濃いですよね。しかも18曲中9曲が未発表の新曲というところにUVERworldらしい意地を感じるわけですけども。

あ、感じました?(笑)

はい(笑)。冒頭6曲をまず新曲で固めてくるあたりもそうですし。でも、これだけバリエーションのある楽曲揃いだと、ドラムも相当に大変だったんじゃないですか。

ドラムどうこうというよりも、そこに行き着くまでが大変でしたね。でも曲全体の方向性というか、そこさえ定まってしまえば、やってること自体は今回、比較的そんなに奇をてらっていないので。もちろん、この3年のうちにアレンジの仕方とかをすごく凝った時期もあったし、それはそれで良かったんですけど、制作の後半、今年に入ってから手をつけ始めた新曲たちに関してはもうちょっとバンド感というか、シンプルなほうに向かっていったところもあるので気分的にわりと楽ではあったんですよ。

じゃあ、さほど苦労もなく?

そうですね、新曲はそこまでではなかったかな。あ、でも「Q.E.D」は最後のほうまで右往左往してたので、ちょっと大変だったかもしれないです。曲が出来上がってからももう一回、1番のAメロだけ見直したりとか、そうなるとまずリズムパターンを変えてみよう、みたいな話になるから。

それって根幹から変わるわけですよね。

変わります、変わります。だから、ある程度までは出来上がるんですけど、ポイントポイントでもうちょっと粘ろう、みたいな感じで。でも全体像さえ見えてしまえば、あとはそんなに。

特にこのドラムは頑張ったとか、そういう曲はありますか。

そういうのではないんですけど、「IDEAL REALITY」は結局、最後まで何もつかめないまま録りが終わりましたね。まだ曲がすっごいざっくりした状態のときに録ろうってことになったので。そもそも僕、いつ録ったかも覚えてないです(笑)。

どういう状況なんでしょう、それは。

歌詞の世界観とか、どんな歌が乗るのかとかがまったくなくて。ほぼオケだけですね。サビの部分の歌はあったんですけど、ラップのところとか全然なかったんですよ。TAKUYA∞君の頭の中ではもう「これこれ!」みたいな、「この感じで、ここにラップが乗ったらいいものになる」とか、いろいろあったみたいなんですけど、こっちはまったくわからへんから(笑)。むしろ「これお蔵入りするんちゃうか?」って思ってましたからね。

そういう状態で叩けるものなんですか。

でもベース、ギターはある程度かっちり決まってたから、そこはもう、その音を聴きながら、ですね。ただ、ただトラックを作ってる感覚でした。

そこまで茫洋とした感じでレコーディングするって、ここのところなかったですよね。最近はわりとメロも歌詞もしっかりある状態で作業されることが多かった気がします。

そう。昔はわりとよくあったんですけど、久々に「目的地どこ?」みたいな(笑)。

アルバム1枚を通して「IDEAL REALITY」がかなり肝になってる

でも、その曲が8月4日からスタートするホールツアーのタイトルにもなったわけで。

そうなんですよ。僕もアルバム1枚を通してこの曲がかなり肝になってるんじゃないかなと思ってますけど。

作曲、クレジットも“UVERworld”ですしね。

だいぶ古い曲で、2年前ぐらいから手はつけてたんですけど、やっては休んで、また思い出した頃に引っぱり出してきて、みたいにして作ってたんですよ。そのたびに「どうやってたっけ? これ」って(笑)。だから歌が乗るまで、こんなに肝になる曲やとは思いもしてませんでしたね。

すごいな、大出世。

大出世しましたよ(笑)。

ちなみにこの曲のどういうところがアルバムの肝になるな、と?

どういうところっていうか、僕はライヴをやって思いました。今回のアルバムを通して聴いた中でも、テンポ感やリズム感がちょっと特殊なんですよ。ここでノリが変わるから、ライヴでも結構いい役目してるなと思ってて。僕ら、意外とこういうファンクっぽい曲もできるんですけど、あんまりやらないんですよね。僕はこういうの、苦手なようで得意なんですけど。でも、そう思ってると、別の日のライヴでは「あ、やっぱり苦手かも」って思うときもあって。昨日は出たのに、今日は全然グルーヴ出えへん、みたいになるんです。

へぇ!

で、苦手かもって思うんですけど、また次の日やると「やっぱり俺、こういうの得意やな」って(笑)。

面白いですね。今度、注目してみます。ちなみに真太郎さん的にいちばん思い入れがある曲っていうとどの曲になるんでしょうか。

思い入れですか? 多すぎてわからない(笑)。

例えば「奏全域」とかリズムの打ち込みも多用されてる曲ですけど……。

打ち込みだけの箇所と、打ち込みとドラムっていう箇所と、サビは生のドラムだけっていう。ほんとは全部打ち込みだけでもいいかって話にはなってたんですけど、ちょっと音圧を足すっていう意味でドラムも入れたら、流れ的にサビは生ドラムでいこうってことになって。でもこれ、ライヴになると全部生で叩きますからね。それが結構難しいんですよ。

ライヴで叩くのが?

うん。まだちょっとしっくりこなくて、今は探ってる感じですね。レコーディングはすごいやりやすかったんですよ、「奏全域」って。でもライヴのテンションになると、曲がついてこないんです。こっちテンションはガーッて上がってるんですけど、テンポ感とかがまだ冷静というか。

曲自体、クールに作ってあるからですよね。

そうそう。だから自分のテンションを探ってるっていう感じです。ほかの新曲たちに関してもライヴでやりながら、それぞれの個性を探ってるところではあるんですけど。

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