ゲーム探求実況者「ぬどん」のおすすめゲーム紹介  vol. 1

Column

【Owlboy】開発者の愛情の詰まった心温まるインディーゲーム

【Owlboy】開発者の愛情の詰まった心温まるインディーゲーム

エンタメステーションをご覧の皆様、はじめまして。普段はニコニコ動画やTwitch,YouTube等でゲームのプレイストリーミング放送を行っております、ぬどんと申します。

所謂『ゲーム実況者』と呼ばれるカテゴリの人間なのですが、僕が実況者として活動を開始した7年ほど前と比べますと、ビデオゲーム業界は随分と変化しました。
大きなゲームメーカーが発売する大型ゲームタイトルのスケールやクオリティはどんどんと上がり続け、その規模は既に「え、こんなゲームを6000円で遊べて大丈夫なの……?」と思ってしまうような域に達しております。
一方で、7年前には「同人ゲーム」だとか「フリーゲーム」と呼ばれていたインディーゲームの界隈は、ゲームの規模拡大の流れに乗ることもなく、相も変わらず小粒でバラエティ豊かでユニークな、おそらく作者が作りたいであろうゲームを作り続けているようで。なんというか、大変喜ばしいことであります。
ただ、インディーゲームの世界が7年前と明らかに変わった点はたったひとつ「売りやすく、買いやすくなった」という点でしょうか。インターネットの拡大に伴ってオンライン決済システムも普及し、クレジットカードさえあれば、PCやゲーム機で気軽にゲームを買うことが出来るようになりました。そしてゲームを作って売る方も、パッケージやCDを焼いたり販売店に営業をかけたりなどといった初期費用と時間を浪費しそうな作業が必要ではなくなり、ちょっとしたミニゲームでも気軽に売る事が出来るようになったものと思われます。素晴らしいです。まことに素晴らしい世の中になっちゃいましたね!

僕はゲームが大好きなのですが、最近気になることがあります。大手ゲームメーカーから、実験的で革新的なゲームが発売されることがあまり多くないような気がするのです。やはりセールスを一番に考えなくてはならないのでしょうか。過去に売れた実績がある、わりと常識的なゲームばかり発売されるというか……いえ、それも面白いのですけれども。
しかし、インディーゲームにはそんな常識は通用しません。関わっている人間が少ないからなのかは知りませんが、インディーゲーム業界では、常識で考えられない新しい発見と輝きを持ったゲームがたくさん、本当にたくさん日夜作られ、販売されています。ゲーム業界にはまだまだ未知なる体験が埋もれていて、新しく作られ続けているのです!

そんなわけで、本稿では、今年の5月に日本語に対応された、小さなゲームスタジオが8年もの年月をかけて創った輝いてるインディーゲーム『Owlboy』をレビューさせていただきます。

文 / ぬどん


美しい映像と音楽

物語や世界を堪能するために、ゲームが私たちに与えてくれるものは何でしょうか。

美しいグラフィック、魅力的なキャラクター、情緒あるサウンド。コンピューターや家庭用ゲーム機の性能が上がると共に、ビデオゲームの表現は年を追う毎にリアルでリッチで自由なものになりました。
そんな中、ドット絵やチップチューンが近年のレトロゲーム再評価により価値が上がったためか、現代の技術でそれらを作りリッチなレトロスタイルのゲームを作ろうという動きが盛んになっています。
とりわけインディゲームシーンでその動きは激しく、ピクセルアートを採用したゲームが様々なスタジオから次々と発売されております。『Owlboy』は、この流れの最先端にあるゲームに違いありません。

『Owlboy』の主人公オータスは、非力で喋れないけれど、心優しいフクロウの少年です。同族の期待に応えることが出来なくて悩んでいた彼でしたが、ある日、村に海賊がやってきた事がきっかけで、村を救うために友人と共に立ち上がります。
そんなストーリーで始まる今作は、物語や世界の根底には「懐かしさ」や「荘厳さ」などといったものが感じられます。美しいドット絵で構成されたセピア調のアートや、華麗なオーケストラのバックミュージックは、そういった世界やストーリーを魅力的に引き立たせるためのものなのでしょう。グラフィックはドット絵で描かれていますが小さくデフォルメされることはなく、壮大な世界を隅々まで余すところなく表現されています。
というか文章でこのゲームの映像美をいくら語っても全く伝わらないのでスクリーンショットを見て下さい。ほらこんな文章読んでないで、このウィンドウをスクロールして見てみて! 見ましたか! その美しい映像が、息づくように動いて……これも説明不要ですね! トレーラームービーを見ましょう!

見ましたね! 見ればその魅力はもう理解できたかと思われます。
登場するキャラクター達の仕草は細やかなアニメーションで表現され、音楽は場面ごとの情景やキャラクターの感情に世界に流れる風すら感じさせてくれます。
素晴らしい! ああもう素晴らしいゲームです! この世界の表現こそが、『Owlboy』の一番の魅力である事は間違いないでしょう!

しかし、それだけではありません。実際にゲームをプレイしてみると、映像や音楽の他にも驚くべき魅力が本作にはあります。
『Owlboy』は、その魅力的な世界やキャラクターと物語を、ゲームとして表現するために極限まで丁寧に創り上げられた作品なのです。

世界中どこもかしこも美しい

魅力的なキャラクター達

『Owlboy』に登場するキャラクター達はみんな、完璧ではなくて、互いに補い合ったり、判断を間違えたり、うまくコミュニケーションが取れなかったりします。
見た目はフクロウだったりクモだったりと人間ではないキャラクターが沢山出てきますが、全員がどこか抜けていて、人間臭い魅力にあふれています。
プレイヤーは喋れないフクロウの少年オータスとして、彼らとコミュニケーションを取りながら、みんなを守るための冒険に出ます。
登場するキャラクター達は村に居る脇役たちも含めて様々なバックストーリーがあるのですが、それらに付いて語ってしまうことは、本作をまだ遊んでいない人の楽しみを奪ってしまうことになってしまうので、詳しくは語らないでおきます。

vol.1