安藤政信「本番中、初めて白目むきました…」映画『スティルライフオブメモリーズ』トークイベント開催

安藤政信「本番中、初めて白目むきました…」映画『スティルライフオブメモリーズ』トークイベント開催

現在公開中の映画『スティルライフオブメモリーズ』のトークイベントが行われ、主演の安藤政信と矢崎仁司監督が登壇した。

本作は、フランスの画家・写真家アンリ・マッケローニの写真集『とある女性の性器写真集成百枚 ただし、二千枚より厳選したる』(※日本では輸入を禁じられ、現在に至るまで見られていない)より、1つとして同じものがない女性の肉体の豊かな表情と神々しさ、そしてマッケローニと、自らを撮らせ続けた彼の愛人が過ごした2年間に触発され、映画『三月のライオン』『無伴奏』を手がけた矢崎監督がメガホンをとった。マッケローニの写真が持つスキャンダリズムを、矢崎監督らしい気品漂う映像美で表現し、エッジの効いたアートフィルムに仕上げている。

出来上がった作品の感想を聞かれた安藤は「矢崎さん独特の繊細さもありながら、デリケートからは少しはみ出した“強さ”を感じた。現状に怒っているのかと思うほど、『これを見せてやりたいんだ、俺は』という強い意志を感じたし、この人、やっぱり面白いと思いました」とコメント。続けて、矢崎監督から「撮影はやっぱり大変でしたよね?」と聞かれると安藤は「矢崎さんの現場は、映画への愛や役者への信用がものすごくあって……。信じられている思いが強い分、大人の言い方をすると“やり甲斐がある”って言うんですかね……」と語ったが、ひと呼吸置いたあと「すいません! やっぱりつらいです!」とぶっちゃけて会場の笑いを誘った。

撮影は毎日深夜3時にまでおよび、宿舎に1時間かけて帰り、翌朝は早朝から出発する……といったハードスケジュールだったそう。安藤が「大変さでいうと、僕の中では、2000年の『バトル・ロワイアル』と並んだかも。深作(欣二)さんはすごくかわいがってくれたんですが、あまりにスケジュールが過酷で、撮影後に不眠症になってしまったんですよ、僕。今回も睡眠不足で本番中に寝ちゃって。初めて白目むきましたからね」と告白し、これには監督も「すみません……」と苦笑いをした。

そして話題は、安藤の新人時代のことへ。「監督から要求されたことが全くできないんですよ。泣くシーンでも泣けなくて。最後悔しくてプロデューサーの車の中で号泣していましたね」と述懐。そして「今でも役者のタイミングって本当に難しい。今でも、僕は自分をプロだと思っていないんです。役者志望なのに(笑)」と自虐コメントをした。それを聞いていた矢崎監督は「安藤さんがすごいのは、自分が出演しているシーンを、“光景”として見ること。その上でリアクションをしてくれるんです。だから監督の僕は、安藤さんにいろんな光景を見せたくてしょうがなくなる」と絶賛。続けて、「安藤さんは『ストロベリーショートケイクス』の時も、相手役の秋代というヒロインを立たせるために自分の出演シーンを削って欲しいと言ってきた。こんなに映画の全体を考えてくれる俳優さんはいないし、一緒に作っている感じがして嬉しくなる」とコメントをし、安藤も「矢崎さんは、どうして涙が出るのか、どうしてこの言葉が出るのか、前後関係のプロセスをちゃんと説明してくれるから、役者の体も心も動く。僕にとって、ムードを大事にしてくれる監督は大切。僕もまた一緒にやりたいです」と力強く答えていた。

なお、安藤は、8月11日(土)新宿K’s cinemaの18時40分の回上映後のアフタートークにも登場。劇中写真を手がけた中村 早と“写真家対談”をする予定だ。

【STORY】
山梨県立写真美術館のキュレーター、怜は、たまたま入ったギャラリーで春馬の写真に心奪われる。翌日、怜は春馬に連絡をとり、撮影を依頼する。怜が撮ってほしいと切り出したのは……。

作品情報

『スティルライフオブメモリーズ』
新宿K’s cinemaほか全国順次公開中
キャスト:安藤政信、永 夏子、松田リマ、伊藤清美、ヴィヴィアン佐藤、有馬美里、和田光沙、四方田犬彦
監督:矢崎仁司
製作:プレジュール+フィルムバンデット
プロデューサー:伊藤彰彦・新野安行
原作:四方田犬彦『映像要理』(朝日出版社刊)
脚本:朝西真砂+伊藤彰彦
写真:中村早撮影:石井 勲
照明:大坂章夫音響:吉方淳二
美術:田中真紗美
衣裳:石原徳子
ヘアメイク:宮本真奈美
編集:目見田健
助監督:石井晋一
キャスティング:斎藤 緑
企画協力:生越燁⼦
配給:「スティルライフオブメモリーズ」製作委員会
※R-18作品
©Plasir/Film Bandit

オフィシャルサイト
http://stilllife-movie.com/