趣里、映画『生きてるだけで、愛。』熱烈ファンとの質疑応答に感激!「がんばって生きていてよかった」

趣里、映画『生きてるだけで、愛。』熱烈ファンとの質疑応答に感激!「がんばって生きていてよかった」

映画『生きてるだけで、愛。』のティーチインイベント付き上映会が、12月4日、東京・新宿ピカデリー シアター5で行われ、主演の趣里と関根光才監督が登壇した。

本作は、『異類婚姻譚』で第154回芥川賞を受賞、小説家・劇作家・演出家としてマルチに活躍する本谷有希子の芥川賞・三島賞候補作が原作。11月9日の公開から1ヵ月近く経過しているにも関わらず、SNSを中心に日々称賛コメントが寄せられており、特に、愛することにも愛されることにも不器用な主人公・寧子のキャラクターと、その役を演じた趣里に、絶賛と共感の声が相次いでいる。

趣里はそんな大反響を受けて、「寧子に共感したというメッセージもいただいて、すごく勇気をもらって感謝の気持ちでいっぱいです。すてきな言葉をいただくと、がんばって生きていてよかったなと思います!」と笑顔を見せた。

メガホンを取った関根監督は、「正直、好き嫌いが分かれる映画だと思っていたが、そんな中で共感してくださる方がすごく多くて、熱い気持ちを投げてくださってとてもありがたい」とコメント。日々届けられる熱意のこもった感想を受け取るなかで、「皆さん、いろんな気持ちを抱えながら過ごしているんだというのが浮き彫りになって、あきらめないでこの映画を作ってよかったと思いました」と感慨深げに語った。

今年屈指の主演女優の呼び声も高い趣里は、「日々生活していると生きづらいこともあるけど、そんなときに映画や舞台やエンターテインメントに触れて、ワクワクするような気持ちになれることがありました。自分もそうやって誰かに寄り添いたいという気持ちがあって、お芝居を頑張ろうと決心したんですが、今回それに立ち返れるような作品に出会えた。関根監督に内面をさらけ出すこともできて、ここからがあらたなスタートだと思いました」と、本作での演技があらたな出発地点になったことを明かす。

ちなみに、関根監督にとって2018年は「映画監督としての飛躍の年」。すでにCMやMVディレクターとして国内外で高い評価を受けていた監督だが、今年は長編監督デビュー作となる『生きてるだけで、愛。』、そしてドキュメンタリー映画『太陽の塔』が公開され、将来性のある新人監督に贈られる2018年度の「新藤兼人賞」で銀賞を受賞するなど大活躍。「自分の中ではスタートラインに立った気分。ずっと映画を撮りたかったし、この作品を届けることができてよかったです。何より、趣里さんの演技を皆さんが観て評価してくださっているのが、とても大きなこと」と喜びを語った。

トークのあとは、観客との質疑応答を実施。映画鑑賞後に主演女優と監督に直接質問できるとあって、客席からは絶え間なく手が挙がり、いずれも2、3回目の鑑賞というリピーターから熱い質問が投げかけられた。

「主人公の寧子と恋人の津奈木(菅田将暉)は、破綻しているように見えるものの、なぜ三年も一緒に暮らしていられたのか?」という質問には、脚本も担当した関根監督から、「趣里さんと菅田さんには、お互いどう感じて自然に思うかを表現してほしかったから、脚本段階では理由を書こうとしなかった」と制作秘話が語られた。

その上で実際に演じた趣里は、「この作品を通じて、誰かと一緒にいるということに、明確な理由ってあるのかなと思った」と純粋な思いを吐露。「寧子と津奈木が過ごした三年間、美しいだけじゃなくて、あきらめて一緒にいることもあると思うし、でもその中にも愛はあるはず。人と人が関わるところには愛があってほしいという願望でもあるんですけど、自分と近いから・真逆だから一緒にいるとか、そういうことではないと思う」と意見を述べた。

関根監督も、「ふたりが損得勘定だけで付き合っているのではない、というのは間違いない。お互いの中に、違う何か、でも自分と共通する何かがあったんでしょうね」と続け、さらに趣里が「寧子の場合は、甘えもあったと思う。でも、ふと思い返したら大切な人になっていて、いちばんに電話する人にだんだんなっていって……。私は演じていて、そういうことかなと思いました」と答えると、質問者も「とても共感しました!」と大満足の様子だった。

続いて、「自分を好きになるとはどういうことだと思うか?」という質問には、趣里も思わず「私も聞きたい!(笑)」。監督も「そんなに自分を好きなタイプじゃないと思う、我らは(笑)」と戸惑いつつも笑顔に。趣里は「落ち込むこともいっぱいあるけど、ちょっと肩の力を抜いてゾーンを抜けると、美しいものってそこらじゅうにあったりする。そういうものを『まだ綺麗だと思える心があるぞ、私!』と感じることがあります。捨てたもんじゃない、というか葛藤していますね」と、自分との向き合い方についてコメント。

監督は、自分の創作物に対して自分がいちばんの理解者であることの大切さを熱弁。「この映画の原作を読んだときも、作者の本谷有希子さんが鬱屈した感情を文字に叩き込んでいて、そこに輝きを見た。認められていない自分にも、どこか美しさはあるんだなと思う。なかなか自分のことを愛しづらい、生きづらいと思っているよりも、どこかでそれを信じて前に突き進むしかないと思うところがある」として、原作からの影響についても語った。

また観客からは、劇中で趣里演じる寧子が躍るシーンについて、「バレエ経験のある趣里は、キャスティングに影響しているのか?」という質問も。関根監督は、「体の動かし方を知っている人は、500%演技に生きると思う」と力強くコメント。その上で、寧子のモノローグにより展開していく原作に対して、映画では言葉では語りつくせない体の動きでの表現も目指していたことから、「趣里さんは全身で表現できる人だと思っていた」と表現者・趣里への強い信頼を明かした。趣里はそれに対し、「監督の作品に対する思いを感じて、バレエの経験とか、精神状態などを全部話して、関根監督には人に言わないようなところもさらけ出せた。バレエをやっていたかったなと思うこともあったけど、そう言っていただくと、次のステップに行けてよかったなと思います」と笑顔を見せた。

続いて質問されたのは、映画の印象的なコピー「ほんの一瞬でも、分かり合えたら。』にかけて、「寧子と津奈木が『ほんの一瞬でも、分かり合えた』としたら、それはどこだと思う?」という問い。趣里は菅田との共演シーンを振り返りながら、「それまではすれ違いのシーンが続いたけど、後半の屋上のシーンで、やっと津奈木と正面で向かい合って目を見た」として、その瞬間が印象深かったことを明かした。

監督も、「屋上でふたりがタブーを犯してでも本音をさらけ出す、特に津奈木が自分の話をするところは、ふたりにとって大きかったんじゃないかと思う。言語化できないものを体で表現することも大切にしたけど、やっぱり言葉にしないとわからないこともありますよね」と、屋上のシーンへの思い入れとともに、“ほんの一瞬でも、分かり合うこと”の尊さを語った。

観客との熱いティーチインを交わした趣里は、「すてきな時間を一緒に過ごせて、心に刻まれました。最後まで席を立たずに聞いてくださって、感謝の気持ちが溢れるばかりです」と感激の様子。関根監督も、「この映画が、明日からまた生きることに対して考えるヒントになってくれたらうれしいです」と笑顔でコメントし、イベントは大盛り上がりのうちに終幕した。

映画『生きてるだけで、愛。』主演の趣里が関根光才監督との対談で見せた素顔。「ヒロインは葛藤のある子。とても理解できた」

映画『生きてるだけで、愛。』主演の趣里が関根光才監督との対談で見せた素顔。「ヒロインは葛藤のある子。とても理解できた」

2018.11.06

作品情報

『生きてるだけで、愛。』
大ヒット上映中
出演:趣里 菅田将暉 田中哲司 西田尚美/松重豊/石橋静河 織田梨沙/仲里依紗
原作:本谷有希子『生きてるだけで、愛。』(新潮文庫刊)
監督・脚本:関根光才
©2018『生きてるだけで、愛。』製作委員会

『生きてるだけで、愛。』原作


映画『生きてるだけで、愛。』作品サイト
http://ikiai.jp

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