『機動戦士ガンダムNT』スタッフが誕生秘話、音楽について語ったスペシャルトークショーのオフィシャルレポ到着

『機動戦士ガンダムNT』スタッフが誕生秘話、音楽について語ったスペシャルトークショーのオフィシャルレポ到着

『機動戦士ガンダムUC』の正統なる続編にして、『機動戦士ガンダムF91』以来27年ぶりの宇宙世紀シリーズ完全新作長編アニメーションとなる、『機動戦士ガンダムNT』が11月30日より公開中。

そして12月4日には、公開を記念したスペシャルスタッフトークショーが開催が開催され、音楽を担当した澤野弘之、脚本の福井晴敏、プロデューサーを務める小形尚弘が登壇。「ガンダムNTの音楽を語ろう」というテーマのもと、本作にまつわる貴重な話などが語られた。

本稿では、そんなイベントのオフィシャルレポートをお届けする。

『機動戦士ガンダムNT』スペシャルスタッフトークショー

 

まずは、公開から週末はずっと舞台挨拶をしてきた福井が「ようやく舞台衣装を用意してくれました。ただ俺Lサイズだって言ったのにMサイズを渡されました」と、自身の衣装事情について説明した。今週末は奈良に舞台挨拶へ行くことになっている小形は、「関西を回って、ナラティブだから最後に奈良に行くんですが、まだチケットが余っているそうなんです。ぜひ皆さん帰ったら、どうやら奈良が空いているらしいよ、と呟いていただけると助かります」と、今後のイベントについてもすかさずアピール。

今回、音楽を澤野に依頼した経緯について、「『UC』から1年後の話で、このスタッフで、澤野さんに依頼しなかったら不自然ですよね。当然、1年後の宇宙世紀のお話をやります、ということでオファーをしていたんです」と小形。澤野は「3年くらい前にざっくりとしたお話を聞いていて、きちんとしたオファーについては、去年いただいて、劇伴音楽を作っていたんです。その時はまだ劇場版とは知らず、20分くらいの短編が何本かだと思って作っていました。そしたら、今年の4月にサンライズさんの新作発表会に『NT』が出るというので見ていたら、“劇場版”と書いてあって。『劇場版だ!!』って(笑)」と、劇場版の作品だとは知らずにオファーを受けていたという驚きがあったことを明かした。そんな驚きも、「知らないうちに映画に携われてラッキーと思いました。劇場版と知っていたら気負っちゃっていたかもしれないので、逆によかったのかもしれません(笑)」と明るく語った。

『UC』の続編をやると聞いた時の印象について、澤野は「『UC』は長かったので終わった時に『やっと終わるよ』と冗談半分に言ってはいましたが、あれだけ長く付き合ってきた作品が終わってしまうのはさみしい気持ちがあったので、また『NT』という形で携わることができて嬉しかったです」と話した。すると福井が、「今後の宇宙世紀は俺にまかせろと?」とツッコむと、会場は大爆笑。「さすがにファンの方に申し訳ないので、オファーがいただける限りはがんばります…!」と謙虚な姿勢を貫いた。

今作の誕生秘話について聞かれると、小形は「どんな風にやっていくか、福井さんとお話させていただく中で、お台場に実物大ユニコーンガンダムの立像が立つことが決まった時、何か『UC』にまつわることを作りましょう、という話になりました。そうすると小説『不死鳥狩り』ですかね? というところから、『NT』が生まれてきました」と制作秘話を語った。すると福井も「皆さんも先の話を観たいはずであろう、というところで、続編という形で『不死鳥狩り』を織り直しました」と、続編という形に至るまでの試行錯誤を明かした。

澤野に依頼することを大前提としてスタートした今作。手探りで作品づくりが進んでいく中のオファーだったため、「澤野さんにはすごく断片的な情報だけお伝えしていました。ただ、吉沢俊一監督の意向もあり、前作とは違う作風で行きたい、と考えていて。大きく分けると3つの歌唱曲を書いていただいているのですが、まず“Vigilante”は最初からメインMSの登場シーンで使いたいというのは伝えた気がします」と、小形。それを受け澤野は、「エレクトロニカをフィーチャーしたものにしたい、ということだったので、そういった楽曲のサンプルを監督にお渡ししたり。そうしていく中で、僕自身、歌でよりアクセントをつけていきたいと思っていたので、すこし歌を入れていったりしました」と、曲作りについての裏話を明かした。

曲を発注するときのエピソードについて、小形は「僕的にはポイントがいくつかあって、いままで劇中でがっつり歌を流す、ということをしたことがなく、どこかで澤野さんの歌入りの曲を流したいな、というのがあったんです。前半のシナリオがあがったときに、ナラティブガンダムが登場するときにそれをいれたい、という発注でしたね」と、“Vigilante”を発注したときのエピソードを語った。

お台場のユニコーンガンダム立像のためにつくられた曲“Cage”のNTv(ナラティブバージョン)は、『NT』用にアレンジし、劇中の『ある重要なシーン』で登場している。澤野は、「10月16日の公開目前イベントの時には、『まだ使うかどうかわからない』と小形さんがおっしゃっていたんで、『せっかくNTvとつけたのに、使われなかったらどうしよう……。』と思って(笑)」と、本編を観て安堵したことを語った。小形は「福井さんにも吉沢監督にも、『“Cage”という曲は、まさにテーマに沿った曲なので、ここに使ってください!』というようなオーダーをしました」と明かすと、福井も「シナリオを書く前から、『こういう感じで使いたい』と、曲が先に送られてきました」と、作品の中で重要な役割を果たしていることを話した。

主題歌の“narrative”は澤野が歌詞を担当しており、「作品の内容に寄り添いつつ、子供時代を思い浮かべ前向きに取り入れながら、真面目に書いてみました」そうで、ボーカルを担当したLiSAについても、「サビへのアプローチもすごく考えてくれて、LiSAさんの声がより『NT』の世界観をつくりあげていただいたな、と思います。」と太鼓判。

今回の音楽に関して、澤野は「『UC』でつくった音楽を今回新たにフィーチャーし直す、というのも再び『UC』の音楽に向き合えたのでよかった」と話すと、澤野の紡ぎあげた今回の音楽世界に関して小形も、「今回は『UC』と差別化したいと思っていて、すごく新しいなぁと思いました」と出来上がりにも大満足の様子。福井も、「今回はガンダムらしからぬ、メロドラマなんですよね。それが音楽のドライな感じと良い化学反応を起こしてしていたと思います」と絶賛した。「やっぱり劇場の環境で聞くのがいいですよね。音を浴びるような体験ができると思います」と、小形は劇場鑑賞の良さをアピール。最後までここでしか聞けない裏話満載の中、トークショーは終了した。

【STORY】
U.C.0097――。
『ラプラスの箱』が、『ラプラス事変』と呼ばれた争乱の結果として世に示されて一年が経過した。だが、ニュータイプの存在とその権利に言及した『箱』=『宇宙世紀憲章』の存在が明かされても、世界の枠組みに大きな変化はなかった。
一方、『ラプラス事変』において、ネオ・ジオン残党軍『袖付き』は一時的に瓦解し、活動は停滞。また、争乱における主役となった“ユニコーンガンダム”と呼ばれる2機のモビルスーツは、人智の及ばぬ能力を発揮したことで危険視され、秘密裏に封印されていた。しかし、2年前に消息不明となり、歴史から抹消されていたRX-0 ユニコーンガンダム3号機が、地球圏に再びその姿を見せる。“フェネクス”と称されるその機体を巡り、再び動き出す人々。フェネクス争奪戦には、地球連邦軍や『袖付き』だけでなく、アナハイム・エレクトロニクス社とも関連の深い大企業、ルオ商会も介入する。
新たなモビルスーツ「ナラティブガンダム」を投入した彼らの真の目的とは……。

作品情報

『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』
大ヒット上映中

【STAFF】
企画・制作:サンライズ/原作:矢立 肇、富野由悠季
監督:吉沢俊一
脚本:福井晴敏
メインキャラクター原案:高橋久美子
キャラクターデザイン:金 世俊
メカニカルデザイン:カトキハジメ、小松英司
色彩設計:すずきたかこ
CGディレクター:藤江智洋
モニターデザイン:佐山善則
美術監督:丸山由紀子、峯田佳実
特殊効果ディレクター:谷口久美子
撮影監督:脇 顯太朗
編集:今井大介
音響監督:木村絵理子
音楽:澤野弘之
アニメーション制作:サンライズ
配給:松竹

【CAST】
ヨナ・バシュタ:榎木淳弥
ミシェル・ルオ:村中 知
リタ・ベルナル:松浦愛弓
ゾルタン・アッカネン:梅原裕一郎
ミネバ・ラオ・ザビ:藤村 歩
ブリック・テクラート:古川 慎
マーサ・ビスト・カーバイン:塩田朋子
モナハン・バハロ:てらそままさき
イアゴ・ハーカナ:中井和哉
アバーエフ:山路和弘
フランソン:星野貴紀
アマージャ:佐藤せつじ
タマン:駒田 航
デラオ:荒井勇樹
パベル:島田岳洋
マウリ:玉野井直樹
ヨナ(8歳):中村文徳
ミシェル(8歳):横溝菜帆

©︎創通・サンライズ

『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』オフィシャルサイト
http://gundam-nt.net/