映画『二階堂家物語』は『東京物語』。加藤雅也が舞台挨拶でタイトル秘話を語る

映画『二階堂家物語』は『東京物語』。加藤雅也が舞台挨拶でタイトル秘話を語る

映画『二階堂家物語』が全国公開中だ。その公開を記念して横浜シネマリンにて、主演を務めた加藤雅也が舞台挨拶に登壇した。

大きな拍手が沸き起こる中、加藤が登壇。横浜での初上映に「寒い日にありがとうございます。地味な映画ですがとてもいい映画ですので楽しみにしてください」と一言。

早速MCより、オファーのきっかけを聞かれると、加藤は「同じく奈良県出身の河瀨監督に“僕も奈良出身ですから、映画に呼んでくださいよ”とお話ししたところ、なら国際映画祭の映画製作プロジェクトNARAtiveのオーディションの話をいただいたことがきっかけです。監督がしっかり人を見て選ばれる方でしたので、無事に選んでいただき安心しました」とオファーではなく、オーディションであったことを明らかにすると会場から驚きの声が上がった。



イラン人であるアイダ・パナハンデ監督の撮影について聞かれると、加藤は「外国の監督と仕事をした経験もあり、撮影地が日本のため気持ち的には余裕がありました。しかし監督が学者のような人で完璧主義でしたから大変でした」と監督の印象を語り、さらに加藤は「監督は“映画を撮り始めると人格が変わる”と言っていたのですが、監督にNGのジェスチャーを出されるとみんな落ち込んでいました(笑)。でも当時流行っていた、“文春砲”をもじって“アイダ砲”って呼んでいたりして、笑いのあるとてもいい雰囲気の中、撮影できました」と監督の厳しさと撮影時のエピソードを語ると会場から笑いが起こった。

MCが「イラン人監督が撮影したのに、とても日本らしい作品なっていますよね」と感想を述べると、加藤はアイダ監督が小津安二郎を観て育ったというエピソードを披露。続けて「この映画のタイトルは元々別のタイトルがついていたのですが、監督が『東京物語』が大好きで、そこから『二階堂家物語』になったのです」とタイトルの名づけ秘話を初めて明かした。

そして大学生時代の思い出の地、横浜について聞かれると、加藤は「天王町のライオン座では5本立て上映が行われていて、よく通っていました。近くのパン屋でパンを買うとさらに割引になり、すごくお得でした」と当時の節約術を振り返り、笑いを誘うと「日の出にあった劇場では180度リクライニングの席とかもありましたね。ただ壊れていただけですけど」と冗談を交えて会場はさらに大盛り上がり。

Q&Aのコーナーに移ると多くの手が上がり、「どんな方に観てほしいですか」と訊ねられた加藤は「跡継ぎの問題だけではなく、結婚を迫られる独身女性や、誰がお墓を継ぐのか? などみんながどこか共感できる普遍的なことを描いているから、どんな人にでも観てもらいたい」と応え、「今はしっとりとした映画を観る体力のある方が減ってきているから、このような映画を観る体力がある日本に戻ってほしい」と願いも語った。

続いて、映画の舞台となった奈良県天理市に住んでいた観客から「天理は加藤さんにはどのように映りましか」と質問が上がると「独特な建物があり、キャストの皆が写真を撮り出すような景色があって面白いです。撮影に関してもすごく協力していただいて、とてもいい所でした」と天理市の思い出を語り「映画のロケ地マップもありますので『君の名は』 みたいに聖地巡礼してもらえると嬉しいです」と加藤は出身地の奈良県をしっかりアピールし笑いを誘った。

最後に加藤は「じっくりと作った映画です。ぜひご覧いただいた後SNSなどで感想を見せてくれるとありがたいです。あと4本くらい僕の出演作がきっとここで上映されますので、そちらもよろしくお願いいたします」と冗談を交えて、終始笑いの絶えない舞台挨拶となった。

【INTRODUCTION】
一人息子を亡くし、代々続く家系が途絶える危機に頭を痛めている辰也とその母ハル。息子を失い妻が出て行ってしまった辰也に対し望まぬ相手との結婚を迫るハル。そして娘の由子に婿養子をとり、跡を継いでほしいという思いを秘める辰也。名家の跡継ぎを巡り家族の中が緊迫し、繋がりが崩れだしていくが……。

作品情報

二階堂家物語
全国公開中

監督:アイダ・パナハンデ(イラン)
脚本:アイダ・パナハンデ アーサラン・アミリ
エグゼクティブ・プロデューサー:河瀨直美
出演:加藤雅也 石橋静河 町田啓太 田中要次 白川和子 陽月 華 伊勢佳世 ネルソン・バビンコイ
配給:HIGH BROW CINEMA

© 2018 “二階堂家物語” LDH JAPAN, Emperor Film Production Company Limited, Nara International Film Festival