広瀬すず主演・朝ドラ『なつぞら』OPは前代未聞の全編アニメーション

広瀬すず主演・朝ドラ『なつぞら』OPは前代未聞の全編アニメーション

2019年度前期、本年4月より放送される通算100作目の連続テレビ小説『なつぞら』の第1週完成試写会が3月6日(水)に開催された。

物語のスタートとなる第1週「なつよ、ここが十勝だ」は、昭和21年初夏から始まる。 空襲で家が焼け、両親を亡くし、戦災孤児となった奥原なつ(粟野咲莉)が、兄と幼い妹と離れ、父と戦友だったという柴田剛男(藤木直人)に引き取られ北海道にやってくる。生きていくために重労働な酪農の仕事を早朝から手伝い、その一生懸命さに最初は受け入れていなかった剛男の義父・泰樹(草刈正雄)や剛男の娘・夕見子とも徐々に家族になっていく姿が描かれていた。

本作は、そんななつが十勝で育まれた豊かな想像力と根性を生かして、アニメーションの世界にチャレンジする物語だ。

全編アニメーションの斬新なオープニング

朝ドラのオープニングといえば、ヒロインが主題歌に合わせ、笑顔を魅せるイメージ。現在放送中の『まんぷく』でもヒロイン・立花福子を演じる安藤サクラが大自然の中、愉快なステップなどを交えながら行進していくのが印象的だ。
ところが、今回公開されたオープニングはヒロイン・奥原なつを演じる広瀬すずは登場していない。
北海道の大地で育った少女が成長していく姿を全編アニメーションで描かれている。

その斬新なオープニングのアニメーションだが、タイトルバックの監督・ 原画・キャラクターデザインを手掛けたのは刈谷仁美。アニメアワードーフェスティバル2019にて、アニメオブザイヤー部門個人賞を受賞した新進気鋭のクリエイターだ。
タイトルバックのプロデューサーは、1987年よりスタジオジブリに在籍し、「となりのトロ」以降、「魔女の宅急便」「千と千尋の神隠し」「思い出のマーニー」など、ジブリ作品の動画チェックを数多く手掛け、現在はアニメーション制作会社「ササユリ」代表の舘野仁美。舘野は、本作でアニメーション監修も手掛ける。
時代を作ってきたレジェンド・舘野仁美と話題の新人クリエイター・刈谷仁美。偶然にも同じ名前の二人のコラボレーションが織り成すオープニングにも期待してほしい。

©ササユリ・NHK

「生まれた環境は選べない。人生は切り拓ける。」『なつぞら』が伝えたいメッセージ

試写会後に行われた会見には、ヒロイン・奥原なつ 役の広瀬すず、柴田富士子 役の松嶋菜々子、柴田剛男 役の藤木直人、幼少期のなつ 役の粟野咲莉、柴田泰樹 役の草刈正雄、そして制作統括を務める磯 智明が登壇した。

まず、初めに制作統括・磯による挨拶が行われた。

制作統括・磯 智明

 北海道で1ヶ月あまり撮影しましたけれど天候に恵まれず、雨の日が多い中で撮影がありました。そういう中で出演者とスタッフの絆みたいなものが出来上がってきました。チームワーク良く撮影が順調に進んでいます。脚本家の大森(寿美男)さんがこのドラマに込めたメッセージの一つに「人は生まれた環境を選ぶことはできないけれど、これから先に進む人生というものは自分で切り拓いていくことができる」ということをお考えになっています。そういった中で主人公のなつが出会った柴田家という家族は非常に重要だなと思っております。その柴田家をどういった方々に演じていただこうかと話し合った中で、このような素晴らしい方々に演じていただくことになりました。なつは泰樹からは人生の厳しさを学び、富士子さんたちからは優しさを学ぶと思っております。この北海道編はこの物語の原点なんだろうなと思っております。

制作統括・磯 智明に褒められ、照れる粟野咲莉。

 1、2週目でなつを演じている粟野咲莉ちゃんですが、監督に何度ももう一回やらせてくださいと言いに行って素晴らしいシーンになりました。これから待ち受ける奥原なつのドラマはとてもスケールの大きいものになっております。それを広瀬すずさんに背負っていただいていただくのですが、現場では明るい笑顔で周囲に気を使いながら臨んでいただいてまして、とても良いシーン、良い場面が続々と上がってきております。これから先もどんどん面白い話が展開していきますので、ぜひ最後まで応援していただければと思います。

続いて、出演者による第1週の感想が語られた。

粟野咲莉(幼少期のなつ 役)

粟野 ヒロインの幼少期 役の粟野咲莉です。心の中を表現できるように一生懸命考えて臨みました。皆さんに観ていただいてそんなところを感じていただけたら嬉しいです。

松嶋菜々子(柴田富士子 役)

松嶋 母・富士子 役をやらせていただいております松嶋です。アニメーションとのコラボレーションで今までにない新鮮な朝ドラのスタートかなと思います。そして優しい歌声と共に皆さんの耳に残る爽やかな1日をスタートできると思います。母として、本当の親子であれば当たり前のようにある場を、後から来たなっちゃんとも愛を築きたい、愛をあげたい、自分の人生を力強く歩んでいってほしいと思います。北海道の最初の撮影から打ち解けて、柴田家としては良い家族というものが最初から出来上がっていたのではと思います。それが画面に表れていればいいと自信作になっております。今後もぜひ楽しみに観ていただけたらと思います。

藤木直人(柴田剛男 役)

藤木 柴田剛男 役の藤木直人です。今回朝ドラ記念すべき100作目。本当に豪華な作品に声をかけていただいて参加することができてとても光栄ですし、嬉しく思ってます。先程、磯さんがおっしゃっていましたが、6月に帯広に行ったときはここに“なつぞら”無いなと思いました…が、観たら“なつぞら”が描かれていました(笑)。明るい朝のスタートが切れるように楽しい作品になっていると思います。多くの方々に楽しんでいただきたいと思います。

草刈正雄(柴田泰樹 役)

草刈 究極の頑固じじいを思いっきり楽しんでやっております。

広瀬すず(ヒロイン・奥原なつ 役)

広瀬 ヒロインの奥原なつを高校生から演じさせていただいております。広瀬すずです。毎日撮影をしていて、登場人物が多いので一人ひとりと濃厚に会話したり重要なものを共有してもらって、台本を読んでいるだけじゃなくその場で生まれる届くものが多いです。幼少期のなっちゃんを演じてくださった咲莉ちゃんを見て、誰よりもなつに感情移入しちゃって家で夜中一人で号泣しすぎて次の日メイクさんに「目腫れているね。」って言われて(笑)。
今なつと同じ様に幸せを感じながら日々過ごさせていただいております。きっと感動だったり、笑えるポップなシーンがたくさんあると思いますので楽しみにしていただけていたら嬉しいなと思います。

じいちゃんとのシーンは、グッとなるシーンが多くて幸せ。

柴田家と共演した感想や印象を問われると、

広瀬 藤木さんとは二人のシーンが多いわけでもないのに家族のシーンの中心に居てくださって、なつの気持ちなどをバランス良く消化してくださることがお父さんと一緒にいる時間の中で印象的な部分です。松嶋さんと草刈さんとは、自分の中で変化のあるシーンが多くて、目から伝わる愛情だったり、自分のことを想ってくれている気持ちがストレートに届きすぎて苦しくなるくらい真っ直ぐに芝居をぶつけてきてくださるので、それにすごく助けられています。特にじいちゃんとのシーンは子供になれるというか、甘えられる関係性が私的にはグッとなるシーンが多くて幸せでした。

ヒロイン・広瀬の人柄について、

粟野 広瀬さんは会うたびに頬をぷにぷにしながらツルツルになっちゃうって言ってくれて、それがとても嬉しいです。

頬に手を当て、ぷにぷにしてくれるのが嬉しいと語る粟野咲莉。

松嶋 とにかく二人共とっても可愛くて。ちびなっちゃんは本当に女優魂がすごくて、お芝居のことをしっかりと考えてきていて納得いくまでやる。それを引き継いで、大きななっちゃんも本当に頑張り屋さんで。安定感が半端じゃないですね(笑)。なのでよく支えてあげてくださいと言われたりもしますが、支えなきゃということを考えずに富士子として演技をする上で頼りがいのある方だなと思います。

藤木 僕が初めて朝ドラに参加させていただいたのは20年くらい前で。ヒロイン大変なので少しでも力になりたいと思っていますけれど、全然そんなことはなくて。逆に広瀬さんが現場を引っ張って行ってくれています。

草刈 すずちゃんと一緒に現場にいるととても居心地がいいですね。僕にとってはそれが現場では一番のリセット。とっても良い感じでやらせていただいております。これからもよろしく。

歴史ある朝ドラの100作目のヒロインを演じるにあたってのプレッシャーについては、

広瀬 ヒロイン会見をさせていただいたときは、皆さんに「100作品目だからね」って言われて。違うな今までとはと思ったりしていたんですけれど、いざ撮影が始まってみると良くも悪くもだと思うのですが、あまり感じていません。自分が意識したところで何かできることではないなと思ったりして。まずはなつとして全力で色んな気持ちを表現できることが自分にとってはこの朝ドラの力になれることだろうなと思うので。朝ドラということよりかは、奥原なつという一人の人間を今一緒に過ごしている感じです。あまり意識はしていないです(笑)。

撮影時のエピソードを笑顔で語る広瀬すず。

朝ドラの先輩である松嶋から何かアドバイスをもらったか訊かれると、

広瀬 リハーサルのスケジュールになつの「な」の字がずっと続いているのを見て、松嶋さんに「これがどんどん続いていくからね」と(笑)。

「一人で生きようと思うと寂しい。」テレビを通して何か届けるものがあればいい。

舞台になっている北海道では昨年9月に地震が起こったが、このドラマでどのように勇気づけたいかという質問については、

粟野 この『なつぞら』を見て元気になって、広瀬さんや松嶋さん、藤木さんや草刈さんを見て、色んな方が励まされてほしいです。

松嶋 とても心配でスタジオでも話をするように自分のことのような気持ちです。気持ちは北海道の方々と日々共にあると思っていますので。日本中の皆さんのために励ましていけたらなと思います。

藤木 停電で牛乳を冷やすことができなかったりという被害を多くの方々から直接お聞きしました。『なつぞら』で描く北海道というのは一部だとは思いますけれど、北海道の人たちがこういうふうに暮らしているんだ、と北海道にスポットが当たることで少しでも勇気づけられれば、元気になってくれればいいなと思っております。

草刈 とにかくこの『なつぞら』観ていただきたいと思います。

広瀬 『なつぞら』の中では人が支えあっていたり、セリフの中に「一人で生きようと思うと寂しい。だから皆がお互いに支え合っている」というものがあります。そういうセリフだったり、私たちが『なつぞら』というドラマの中で伸び伸びと生きようとしている、過ごしているという姿をぜひテレビを通して何か届けるものがあればいいなと思います。観てくださっている皆さんと日本中が北海道を応援できるような、励ませることができるような作品になっていると思いますので、観て、届くものがあれば良いなと思います。

北海道への想いを真剣に語る広瀬すず。

戦争というものを表現する上でアニメーションというのは欠かせない表現

会見後、制作統括・磯への質疑応答の場が設けられた。

Q.タイトルの『なつぞら』にはどういう想いが込められていますか。

北海道にとって夏は意味があって、夏に晴れるかどうかで一年の収穫が決まってしまう。僕が描く『なつぞら』は希望だったり生きる喜びだったりするのでそういうイメージで『なつぞら』です。

Q.粟野さんはオーディションですか。決めては?

オーディションです。250人くらい集まった中で初めの頃から非常に印象的でした。引き出しがあって見たときからこの子かなと、この子しかいないな思いました。

Q.内村光良さんを語りに抜擢された理由は?

ヒロインを温かく包み込むようなナレーターでもあり、役者の顔を持つ方がいいなと思いまして。明るさもありますので、ヒロインを見守っていくスタンスとして素晴らしいと思いお願いしました。

Q.なぜアニメーションを題材に?

日本のアニメーションというものが注目されている中で、そのアニメーションを紐解いていく歴史物語というものは前々から作ってみたいと思っておりました。

Q.一部(オープニングや戦争中の一部シーン)をアニメーションで描いた意図はどういうところにありますか。

将来アニメーターになる話ですが、アニメーターになる話が物語の中間以降なので、それまでに観ている方々に対して、こういうアニメーションを作る人たちの物語なんだよということを印象付けたいと思いました。戦争のシーンはなつの記憶ということで、戦争というものを表現する上でアニメーションというのは欠かせない表現だなと思いました。

Q.100作目のプレッシャーは?広瀬さんは感じないとおっしゃっていましたが。

101作目の『スカーレット』と102作目の『エール』も発表されていますし、どちらかというと好調の『まんぷく』から良い流れを受け継いで『スカーレット』に託すことの方が今はプレッシャーに感じています。観ている人々を満足させつつ、更に良い形で次に繋げていきたいなと。


記念すべき100作目の朝ドラ。ヒロイン・奥原なつは毎朝どのようなテーマを語りかけ、メッセージを届けるのだろうか。見逃せない。

2019年度前期 連続テレビ小説『なつぞら』

©NHK

放送予定:4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
音楽:橋本由香利
主題歌:スピッツ「優しいあの子」
語り:内村光良

出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人 /
岡田将生、吉沢 亮 /
安田 顕、音尾琢真 /
小林綾子、高畑淳子、草刈正雄 ほか

制作統括:磯 智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中 正、渡辺哲也 ほか

公式サイト
https://www.nhk.or.jp/natsuzora/
Twitter(@asadora_nhk)
Instagram(@natsuzora_nhk)

©NHK