不朽の愛の名作『男と女』から53年後を同キャストで描く。『男と女 人生最良の日々』が20年1月公開決定

不朽の愛の名作『男と女』から53年後を同キャストで描く。『男と女 人生最良の日々』が20年1月公開決定

今年の「カンヌ国際映画祭」で発表、上映後20分にも及ぶスタンディングオベーションが⽌まらないほどの⼤喝采を浴びた、クロード・ルルーシュ監督作『Les plusbelles années d’une vie(原題)』が、邦題『男と⼥ ⼈⽣最良の⽇々』として、2020年1⽉に⽇本公開されることが決定した。

本作は、1966年に制作、「カンヌ国際映画祭」で最⾼賞“パルムドール”を、そして⽶「アカデミー賞」で最優秀外国語映画賞を受賞した『男と⼥』の主⼈公2⼈の愛の53年後を描いた物語。当時まだ無名だった29歳のクロード・ルルーシュ監督が描いた、“妻に⾃殺された男と夫を事故で亡くした⼥”の出会いと微妙な恋の⼼情を描いた『男と⼥』は、今でも“⼤⼈の恋愛映画の傑作”と誉れ⾼い作品だ。

6月20~23日に行われた「フランス映画祭 2019 横浜」の団⻑として13年ぶりに来⽇したクロード・ルルーシュ監督。6月21日には『男と⼥ ⼈⽣最良の⽇々』を⽇本でプレミア上映、⼥優の岸 惠⼦さんと登壇し、トークを実施した。

岸がパリに暮らしていた際にはクロード・ルルーシュ監督のオフィスの向かいに住んでいたこともあり、その試写室で第⼀作⽬の『男と⼥』
ほか多くの彼の作品を鑑賞した想い出を語った。また、最新作『男と⼥ ⼈⽣最良の⽇々』を一足早く鑑賞した岸は、「ひどく感動した。53年たったジャン=ルイ・トランティニャンの顔が⼤きく映し出されたとき、こういう映画ができるフランスがうらやましい、こういう⽂化的⼟壌は⽇本にはないなと思った」と感動を述べた。

監督は「今⽇ここに来られたことを嬉しく思います。53歳若返ったような気がします。なぜなら、53年前に『男と⼥』を持って来⽇し、そして53年後にその映画のエピローグをもって⽇本に来ることは想像もしませんでした。この映画を⾒て頂けたら、私にとってどれほど重要なものか分かって頂けると思います。同じ監督が、同じ俳優を使って、後にその後のストーリーを撮るということは、映画史上ないことです。」と、今回の来⽇に対する感動を伝え、「本作は『男と⼥』をすでに⾒た⼈に向けて作られた映画ではありますが、まだ⼀度も『男と⼥』を⾒ていない⼈にもわかるように構成しました。テスト上映を何回もしましたが、年⽼いた⼈も若い⼈も同じようにこの映画を楽しんでくれた。この映画は⾒る⼈の年齢を選ばないのです。まだ『男と⼥』を⾒てない⽅にも是⾮ご覧頂きたい」と温かい笑顔とともに語った。

また、6月22日には本映画祭の企画の⼀環として早稲⽥⼤学にてマスタークラスを開催。本作のタイトルを“⼈⽣最良の⽇々”について、フランスの⼩説家、ビクトル・ユゴーの⾔葉「人生最良の日々はまだ生きられていない」から引用したことを明かし、その理由を「私はこれまで過去よりどんなに困難であっても、今生きている現在を愛し続けてきた」「未来はあまりにも大きな疑問符なため恐れてしまう。現在が一番単純明快であり、我々に属しているもの」と⾃⾝が20歳の時に感銘を受け、これまでの⾃分の⼈⽣を導いてくれたとても重要な⾔葉として紹介した。さらに、「私は全ての作品において、まず先に音楽を録音します。映像を作った後に音楽をあてる、ということはいたしません。それは作品の欠点を音楽で補う、ということになってしまうからです。私は音楽を主人公であるかのように扱います」「音楽は人間の非合理的な部分、つまり、感情に訴えかけます。例えば、脚本は人々の合理的な部分、知性に訴えかけますが、音楽は人の非合理的な部分、無意識を目覚めさせるものであり、私の映画はそうであってほしいと思っている」と、映画に対する音楽の使い方について、これまで他の映画⼈にも多⼤な影響を与えてきたルルーシュ監督ならではの、⾳楽に対する強いこだわりを明かした。

(C)UniFrance

そして、キャスティングについて「監督にとってとても重要な仕事」「“真実の香り”を捉えるために、私は脚本のセリフに重きをおかない」とその重要性を語り、『男と女』については「1人の男優と1人の女優のポートレートを撮るのではなく、1人の男と1人の女のポートレートを撮りたかったので、その役割が担える俳優としてジャン・ルイとアヌーク・エーメをキャスティングした」と当時を振り返る。

自身の撮影現場に関しては「覚えたテキストを語って欲しくないから、事前に脚本を渡さない」「いつもラストは決めないで撮影に入るのです。いい俳優であれば役割を増やすし、よくない俳優であれば減らす。実人生でもいい人であれば過ごす時間が長くなるのと一緒ですね」と語り、「その日の撮影で起きたことによって、毎晩翌日の脚本を書き換える」“人生=映画である”との監督の言葉を実際に体現するような撮影手法を説明した。

最後に監督は「私にとっては現在だけが重要、私の映画にメッセージはありませんが“人生は愛すべきだ”ということは伝えています」「見る人たちに必ず希望を与えたい。観客が生きたいと思える映画を撮りたい。いつでも大事なのは次の作品なので、現在一番大事なのは今準備している50本目の作品」と、“現在が一番大事である”ことを信条とする監督らしい言葉で締めくくった。

【STORY】
元レーシング・ドライバーの男、ジャン・ルイ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は、今は⽼⼈ホームに暮らし、かつての記憶を失いかけている。彼の息⼦は⽗親を助けるために、⽗がずっと追い求めている⼥性アンヌ(アヌーク・エーメ)を探す決⼼をする。果たしてアンヌは、ジャン・ルイと再会し、2⼈の物語をまたあの場所から始めることできるのか…。

作品情報

『男と⼥ ⼈⽣最良の⽇々』
2020年1⽉全国公開決定

監督:クロード・ルルーシュ
出演:アヌーク・エーメ、ジャン=ルイ・トランティニャン、スアド・アミドゥ、アントワーヌ・シレ
⾳楽:カロジェロ、フランシス・レイ
配給:ツイン
(C)2019 ‒ Davis Films ‒ Les Films 13