加藤和樹&城田 優らが高らかに歌い上げる恐ろしくも美しき家族愛。ミュージカル『ファントム』製作発表会

加藤和樹&城田 優らが高らかに歌い上げる恐ろしくも美しき家族愛。ミュージカル『ファントム』製作発表会

ミュージカル『ファントム』が、11月10日(日)からTBS赤坂ACTシアターにて梅田芸術劇場の企画・制作により上演される。主演のファントム(エリック)役には、2014年の公演で同役を演じた城田 優と、今作で初めて本役に挑む加藤和樹がダブルキャストとして名を連ね、さらに、本作では城田が演出も手がけ、主演と演出を兼ねるという新しい試みも話題となっている。

そんな舞台の製作発表会見と囲み取材が7月22日(月)に行われ、城田と加藤のほか、クリスティーヌ・ダーエ 役の愛希れいかと木下晴香、フィリップ・シャンドン伯爵 役の廣瀬友祐と木村達成、3役のダブルキャストたちが顔を揃えた。

ミュージカル『ファントム』は、フランスの小説家ガストン・ルルーのベストセラー小説『オペラ座の怪人』を原作にしたミュージカルで、1991年にアメリカで初演。脚本家アーサー・コピットと、作曲家モーリー・イェストンのタッグが紡ぎ出す、怪人ファントムの人間性にスポットを当てたストーリーとファンタジックな楽曲でこれまで世界中の観客を魅了してきた。日本版の初演は2004年で、それ以降、国内でも幾度となく上演されている大ヒット作だ。

製作発表会の前に、ファントム(エリック)役の加藤和樹と城田 優、クリスティーヌ・ダーエ 役の愛希れいかと木下晴香が、この日だけの特別編成によるナンバー「You are music」をピアノの繊細で美しい旋律にのせて熱唱。

その後、フィリップ・シャンドン伯爵 役の廣瀬友祐と木村達成も加わり、製作発表会が始まった。

最初に今作への意気込みを問われ、ファントム(エリック)役であり演出を手がける城田 優が「率直に楽しみですね。スタッフ、それからキャストに支えてもらいながら、初日に向けて取り組んでいきたいと思います」とコメント。

また、ファントム(エリック)役に初めて挑む加藤和樹は「僕の初舞台であるミュージカル『テニスの王子様』(05)で城田 優と共演したこともあって、彼の演出のもとミュージカル『ファントム』に携わることは僕にとって特別な経験になると思います。ファントム 役は彼と共につくり上げることができる役柄だと感じていますし、『これまでの加藤和樹に最もふさわしい作品にする』と彼は言っていたので、城田 優にとことん向かい合って、最後までついていきたいと思います」と城田への信頼感を見せる。

クリスティーヌ・ダーエ 役を務める愛希れいかは「クリスティーヌという役にはずっと憧れがありました。主演・演出の城田 優さんをはじめとする素敵なキャストと今作に出演できることを幸せに思っています。木下晴香ちゃんと一緒に精一杯演じたいです」と意気込んだ。

さらに、木下晴香は「今作にかける熱い想いを持った城田さんのもとで『ファントム』に携われて嬉しいです。私もこれまでにない新しい一面を見せて衝撃的なクリスティーヌを演じたいと思います」と笑顔で語った。

そして、フィリップ・シャンドン伯爵を演じる廣瀬友祐が「城田 優が演出する『ファントム』に出演できることを光栄に思います。この作品がこれまでにない魅力的な作品になるためのワンピースになれるように頑張りたいです」と語ると、木村達成は「自分の役を演じるだけでも大変なのに、城田さんはファントムを演じながら演出をされるので、こんなに多くのことを勉強できる座組みは今までに経験したことがありません。いろいろなことを糧にできるように頑張りたいと思います」と述べた。

具体的な演出プランを尋ねられると城田は「ミュージカルをつくるうえで大切なのは、お芝居の歌だと思います。歌を歌い上げるミュージカルではなく、歌の心情をお客様に訴えかけるミュージカルにしたいので、『ファントム』の楽曲をいかに観客の心に届けられるかが大切です。出演者の皆さんは、歌の感情についてこれまで言われたことがないぐらい僕から注文があるかもしれないですね(笑)。キャスト・スタッフの皆さんと一緒に寄り添いながらつくっていくことを大切にしたいと思います」と本作にかける熱意を表した。

役どころについては、城田が「ファントム(エリック)は怪人と言われて恐れられている人間ですが、生い立ちから複雑な家庭環境で育っているのでかわいそうに見えるだけではなくて、彼の狂気性も表現してみたいです。外の世界を知らない無知ゆえの残酷さを描くことで、人間の複雑な心模様を掘り下げていきたいと思います」と語り、加藤は「今作はお客様に届ける歌が重要ですし、やりがいがあります。彼がどんな人生を辿っていくのか城田 優と一緒に追求していきたいです」と続けた。

そしてクリスティーヌについて愛希は「クリスティーヌはまっすぐで純粋な女性だと思いますが、彼女の中に流れる“母性”が魅力だと思うので、しっかりお稽古をして“母性”が感じられる人物になりたいです」と述べ、木下は「クリスティーヌの楽曲は難しいので、そんな歌を歌わせていただくことはチャレンジだし、お客様に届けられることにワクワクしています」とコメントした。

それを受けて、廣瀬は「プレイボーイでもあるシャンドンがいかにクリスティーヌに惹かれていくのかが見どころだと思います」、木村は「ファントム(エリック)の恋敵なので歌も演技も上手な城田さんと加藤さんに負けないように役者として戦っていきたいと思います」と自身の役に対して抱負を述べた。

ダブルキャスト同士でお互いの魅力を尋ねられた城田は「加藤とは19歳のときに一緒になって、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』(13)のティボルト 役でも共演しました。彼はとにかくひたすらまっすぐで不器用なところが魅力で、だからこそ一心に役を探求していく姿に感心させられます。今回のファントム(エリック)は不器用なキャラクターなので、彼の魅力が今作では武器になると思います」と加藤への期待を込め、それを受けた加藤は「城田 優は負けず嫌いで、しかもそれを隠さないところが最大の魅力です。彼の負けん気を感じていると、彼にできないことはないと思わせてくれます。なおかつ、人を愛しているし、そんな彼だから信頼してついて行こうと思わせてくれます」と返した。

ふたりのやりとりを笑顔で聞いていた愛希が「(木下)晴香ちゃんを見ていると、歌っているときの目の強さが印象的で、音楽や歌に対する情熱が伝わってきます」と木下の印象を語ると、「初めてお会いしたときに、チャーミングで可愛らしいお姉さんだと思いました。今回の製作発表の稽古のときの真剣に楽譜と向き合っている姿から、たくさんの努力をして今の愛希さんがいらっしゃると感じたので、稽古で勉強して多くのことを吸収したいと思います」と木下も愛希へのリスペクトをにじませる。

そこから廣瀬が「木村くんはミュージカル『ロミオ&ジュリエット』(19)で共演しましたが、彼の最大の特徴は眉毛かな(笑)。本当に明るくて愛嬌があって、誰からも愛される“人間力”が魅力だと思います」と笑いをとりながら述べると、一方の木村は廣瀬のことを「淡々としていますがとても面白くて、お笑いの師匠だと勝手に思っていて(笑)。良き先輩ですし、舞台に立てばリアルなお芝居を求めていらっしゃる熱いハートを持った方だと思います」と述べた。

製作発表会の最後の挨拶として城田は「現段階では、僕の頭の中を具現化している最中ですが、本番までに“こんな『ファントム』は観たことがない”と思ってもらえる要素を散りばめていきたいです。この作品を通して、本作のテーマである“家族愛”や、生きるうえでのポジティブなエネルギーを皆さんに届けられるようにキャスト・スタッフみんなで頑張っていきたいと思います。ご期待ください」と語り、盛大の内に製作発表会は幕を閉じた。

さらに製作発表会のあとに囲み取材も行われ、先ほどと同じく、城田 優、加藤和樹、愛希れいか、木下晴香、廣瀬友祐、木村達成の6名が登壇し、マスコミからの質問に応えた。

改めて作品の魅力について尋ねられた6人は
廣瀬「ファントム(エリック)を取り巻く家族や、彼がどうして怪人になってしまったのかという物語が面白いと思います」
愛希「いろいろな愛の形が描かれているのがポイントだと思います」
加藤「音楽の力だと思います。お客様に僕たちの心が伝わる楽曲に注目してください」
木下「悲劇の要素がありますが、感動できるドラマチックなシーンがたくさんあるのが魅力だと思います」
木村「愛ですね。だからこそ全世界で愛されている作品ですし、僕のことを知ってもらえる名刺のような作品にしたいです」
城田「幻想的なシーンや現実のおどろおどろしい部分、ファントム(エリック)の狂気性や純粋さが表現されているのがこれまでの『オペラ座の怪人』とは違うので、そこが魅力だと思います」
とそれぞれコメントした。

また今作で2度目の演出となる城田だが、挑戦してみたいことを問われると「今まで経験してきたことが“俳優・城田 優”を形成しているので、僕ならではのアイデアやお芝居を大事にしたいと思います。初めて演出したときとは劇場の規模が違いますが、僕のスタイルを変えずにどこまで表現できるのか、なによりキャストの心情を声で届けられるお芝居にしたいと思います」と熱い思いを語り、最後に一同で「ミュージカル『ファントム』、劇場でお待ちしております!」と締め括り、囲み取材は終了した。

東京公演は11月10日(日)から12月1日(日)までTBS赤坂ACTシアターにて上演。大阪公演は12月7日(土)から12月16日(月)まで梅田芸術劇場メインホールにて上演される。

取材・文・撮影 / 竹下力

ミュージカル『ファントム』

東京公演:2019年11月10日(日)〜12月1日(日)TBS赤坂ACTシアター
大阪公演:2019年12月7日(土)〜12月16日(月)梅田芸術劇場メインホール

脚本:アーサー・コピット
作詞・作曲:モーリー・イェストン
原作:ガストン・ルルー
演出:城田 優
企画・制作:梅田芸術劇場

出演:
ファントム(エリック)役:加藤和樹、城田 優(ダブルキャスト)
クリスティーヌ・ダーエ 役:愛希れいか、木下晴香(ダブルキャスト)
フィリップ・シャンドン伯爵 役:廣瀬友祐、木村達成(ダブルキャスト)
カルロッタ 役:エリアンナ
アラン・ショレ 役:エハラマサヒロ
ジャン・クロード 役:佐藤 玲
ルドゥ警部 役:神尾 佑
ゲラール・キャリエール 役:岡田浩暉
安部三博
伊藤広祥
大塚たかし
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原作小説:『オペラ座の怪人』