映画『人間失格』蜷川実花の世界観を昇華させる“日本最高峰”のトップクリエイターたちに注目

映画『人間失格』蜷川実花の世界観を昇華させる“日本最高峰”のトップクリエイターたちに注目

天才作家・太宰 治が死の直前に完成させた『人間失格』は、累計1200万部以上を売り上げ歴代ベストセラーのトップを争う、“世界で最も売れている日本の小説”。その小説よりも遥かにドラマチックだった“誕生秘話”を太宰自身と彼を愛した3人の女たちの目線から、事実をもとにしたフィクションとして初めて映画化したのが、現在公開中の映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』だ。

監督は極彩色の鮮烈な写真で知られ、世界で活躍する写真家の蜷川実花。近年は映画監督としても精力的に活動している蜷川が、構想に7年を費やし、天才作家・太宰 治のスキャンダラスな恋と人生を大胆に映画化した。自殺未遂を繰り返す破天荒な天才作家だが才気と色気にあふれた太宰 治を演じるのは、大幅な減量を敢行して役に挑んだ小栗 旬。そして、彼を最後まで献身的に支える正妻・津島美知子に宮沢りえ、太宰の子どもを望む愛人・太田静子に沢尻エリカ、太宰の最後の女にして、”恋”の為なら死も恐れない愛人・山崎富栄に二階堂ふみ、そのほか、成田 凌、千葉雄大、瀬戸康史、高良健吾、藤原竜也ら超豪華キャストが集結している。

魂を削って小説を書いた太宰 治という表現者を、二階堂ふみは“最後の女”富栄の視点からどう見たのか?

魂を削って小説を書いた太宰 治という表現者を、二階堂ふみは“最後の女”富栄の視点からどう見たのか?

2019.09.10

そんな超豪華絢爛ともいえるキャスト陣が集結している本作には、キャスト陣に負けない、“日本最高峰”のクリエイターたちが集結し、蜷川の世界観をさらに昇華させているのだ。

オリジナル脚本を手掛けたのは、映画デビュー作品である『紙の月』で日本アカデミー賞優秀作品賞を受賞した気鋭の脚本家・早船歌江子。今作を企画した池田史嗣プロデューサーと蜷川監督と共に話し合いながら、長い時間をかけ徹底したリサーチであらゆる文献を調べ作り上げたという。そして、撮影&照明には、ここ数年次々と傑作を生みだし、『万引き家族』でカンヌ国際映画祭の最高賞であるパルム・ドールを獲得した近藤龍人&藤井 勇コンビ。見せる部分と敢えて見せない領域を作り出し、そのバランスをうまくフレーミングする近藤の妙技によって、太宰のその時々の顔も瞳にかかった髪の毛の影や、表情に差し込む陰影によって容易には読み取ることができない。背中のショットが多いのも特色のひとつで、取り巻く女たちが太宰の真意を常に読み図ろうとするように、観客もこの二人の企みによって常に太宰の本音を探らずにはいられない効果を生み出している。このコンビは蜷川監督ならではの世界観を尊重しつつ、独特な色彩と陰影に富む美しい画で、太宰と彼を取り巻く人間の業を深く捉えた重厚な人間ドラマを描いている。

さらに、蜷川監督が作る太宰の世界観を作り上げたのは数多くの蜷川作品に美術として参加してきたEnzo。時代性に目を配らせながらもその再現に囚われずユニークな発想で登場人物たちの状況を端的に理解できるようにビジュアル化することは至難の業といえよう。ほかにも日本を代表するトップクリエイターたちが蜷川監督の創造する「人間失格」の世界観を気高く、そして艶かに昇華させている。細かいところまで拘り抜かれた本作は、大スクリーンで観てこその発見も多く、隅々まで注目しながらその“世界観”に浸ってみるのもおすすめだ。

【STORY】
天才作家、太宰治。身重の妻・美知子とふたりの子どもがいながら恋の噂が絶えず、自殺未遂を繰り返すー。その破天荒な生き方で文壇から疎まれているが、ベストセラーを連発して時のスターとなっていた。太宰は、作家志望の静子の文才に惚れこんで激しく愛し合い、同時に未亡人の富栄にも救いを求めていく。ふたりの愛人に子どもがほしいと言われるイカれた日々の中で、それでも夫の才能を信じる美知子に叱咤され、遂に自分にしか書けない「人間に失格した男」の物語に取りかかるのだが…。

作品情報

映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』
大ヒット公開中

監督:蜷川実花
主演:小栗 旬 宮沢りえ 沢尻エリカ 二階堂ふみ 成田 凌/千葉雄大 瀬戸康史 高良健吾/藤原竜也
脚本:早船歌江子  
主題歌:東京スカパラダイスオーケストラ「カナリア鳴く空feat.チバユウスケ」
製作:『人間失格』製作委員会
企画:松竹
配給:松竹、アスミック・エース
R-15
© 2019 『人間失格』製作委員会

オフィシャルサイト
http://ningenshikkaku-movie.com/

『人間失格』原作