競輪の代謝で引退した選手のその後はどうなる?再チャレンジ検定制度まで徹底解説!
競輪の選手は、他のスポーツと同様に大きな怪我を負ったり、成績が振るわなければ引退します。
選手個人で引退を決意する場合と代謝制度が適用されて選手の意志関係なく引退をする場合の2つ。
本記事では、引退にまつわる競輪の代謝についてご紹介!
代謝対象の人数や選手の特徴、選ばれる条件から代謝のその後まで詳しく解説しています!
ぜひ、最後までご覧ください。
競輪の代謝とは?
競輪の代謝とは、成績下位の選手登録を消除して強制的に引退させる制度のこと。
正式名称は「登録審査制度」と言います。
代謝制度の対象となった選手は引退を余儀なくされるため、残酷な制度に思えますが・・・
この制度があるおかげで競輪界の選手レベルを一定以上に保つことができています。
出走選手同士の実力差が開きすぎないためにも、競輪には必要不可欠の制度と言えますね。
代謝対象になる選手の特徴は?
勝利を目指して日々鍛錬を積んでいる選手にとっては、無慈悲とも言える競輪の代謝。
競輪界の選手レベルを保つためにも、なくてはならない制度であるのは間違いありません。
そんな競輪の代謝対象となる選手には、どのような特徴や条件があるのでしょうか。
- 成績が下位
- 怪我などにより長期欠場している
代謝制度は、いわば競輪の戦力外通告なので成績が基準よりも下回っている選手が対象。
男子競輪とガールズ競輪では、競技人口に差があるので条件が異なります。
以下をご覧ください。
男子選手 | 女子選手 |
---|---|
①2期連続で競走得点が70点未満 | ①2期連続で競走得点が47点未満 |
②3期通算で平均競走得点が70点を下回った選手 | ②3期通算で平均競走得点が47点を下回った選手 |
③3期の競走得点の平均下位30名が強制引退の対象となる | ③3期の競走得点の平均下位3名が強制引退の対象となる |
これらの条件に一つでも該当した選手は、代謝の対象となっています。
そんな代謝の制度とは異なり、怪我などによって欠場期間が3年を超えた選手は登録消除。
二度と競輪選手になることはできません。
そのため、長期欠場や登録消除に繋がる可能性のある怪我を選手たちは十分に注意しているのですね、
競輪の代謝はいつ行われる?対象人数は?
男子選手と女子選手で異なる条件が設けられている競輪の代謝。
対象となる人数も変わってきます。
男子選手 | 女子選手 |
---|---|
30名 | 3名 |
男子と女子でこれだけの差があるのは、競技人口が大きく異なるためです。
そんな競輪の代謝ですが、審査回数は前期と後期の2回に分かれており、審査時期も決まっています。
審査期間は以下の通りです。
前期 | 1月~6月 |
---|---|
後期 | 7月~12月 |
仕組み自体は、選手の来季の級班を決めるものと同じです。
対象期間中に結果を残せず、競走得点をクリアできなかった選手は代謝の対象となってしまいます。
つまり、勝ち続けて結果を残すしか選手の生きる道はないということです。
リセットとは?
一度は代謝対象となっても、選手の平均競走得点が基準を上回れば、代謝の対象から外れることがあります。
これを通称「リセット」と呼び、リセットになった選手は1年半の現役生活を続けることが可能!
たとえ代謝対象となったとしても諦めずに結果を追い求め続ければ、可能性はあるということですね。
代謝の救済措置の再チャレンジ検定制度を紹介!
強制的に引退しなければいけない競輪の代謝に対抗する救済措置が2024年2月から始まりました。
それが「再チャレンジ検定制度」です。
この検定に参加できるのは、怪我や体調不良によって出走回数を満たしていない選手のみ。
検定の合格条件をクリアできれば、代謝の対象から外れて選手として復帰できます。
条件は以下の通り。
男子選手 | 女子選手 |
---|---|
1,000mを1分9秒以内で完走 | 500mを38秒以内に完走 |
この制度により救われた選手も実際にいるので、素晴らしい制度と言えますね!
代謝になった選手のその後は?
毎年66名の選手を強制引退させてきた競輪の代謝。
競輪選手としての現役生活を終わりますが、その後はどうなるのでしょうか。
以下の2つの項目に沿ってご紹介していきます。
- 選手としての復帰はできない
- 退職金が支給される
それぞれ詳しく解説しているので、ご覧ください。
選手としての復帰はできない
代謝制度によって余儀なく引退させられた選手は、今後選手として復帰することはできません。
これは、日本競輪選手養成所の入所試験募集事項によって正式に定められています。
(4)以下のいずれにも該当しないこと。
ア.競輪選手として登録されたもの(消除者を含む)
引用元:KEIRIN.jp
競輪選手となるには、競輪学校で資格を取得するのが必須。
その競輪学校に入所できないということは、選手としての復帰は不可能ということを意味しています。
退職金が支給される
代謝によって引退した選手にも、退職金は支給されます。
気になる金額ですが、活動期間や実績によってどうやら変動するようです。
そんな競輪の退職金の目安、20年以上稼働した選手に約2,000万円。
あくまでも概算なのと、選手によって支給金額が異なるということを覚えておきましょう、
【最新版】2024年に代謝で引退した選手を一覧でご紹介!
競輪選手は現在約2,300人在籍しており、その内の女子選手は約150人。
毎年最大66名の選手が代謝によって、奇しくも現役生活を終えています。
ここでは、2024年に代謝で引退した選手を一覧で一気にご紹介!
以下をご覧ください。
氏名 | 府県 | 生年月日 | 年令 | 消除月日 |
---|---|---|---|---|
出口眞浩 | 神奈川 | 1969/06/22 | 54 | 4月11日 |
渡邉藤男 | 栃木 | 1966/05/07 | 57 | 5月2日 |
平坂典也 | 広島 | 1968/08/07 | 55 | 6月3日 |
河添信也 | 熊本 | 1974/12/08 | 49 | 6月21日 |
谷尾佳昭 | 岡山 | 1963/01/27 | 61 | 6月27日 |
板橋常晶 | 岐阜 | 1973/08/18 | 50 | 7月2日 |
礒田義則 | 熊本 | 1969/5/14 | 55 | 7月8日 |
中塚記生 | 熊本 | 1970/2/15 | 54 | 7月8日 |
江口晃正 | 長崎 | 1974/10/9 | 49 | 7月8日 |
田村武士 | 新潟 | 1979/6/1 | 45 | 7月9日 |
岡俊行 | 高知 | 1976/6/26 | 48 | 7月9日 |
飯島亮 | 東京 | 1972/2/18 | 52 | 7月9日 |
武藤貴志 | 千葉 | 1975/4/21 | 49 | 7月9日 |
猪子真実 | 愛知 | 1980/04/04 | 44 | 7月12日 |
芦川大雄 | 静岡 | 1980/08/13 | 43 | 7月12日 |
小峰一貴 | 埼玉 | 1969/4/4 | 55 | 7月16日 |
丹波福道 | 岡山 | 1972/6/13 | 52 | 7月16日 |
木村元信 | 青森 | 1979/3/9 | 45 | 7月18日 |
鈴木浩 | 新潟 | 1976/6/28 | 48 | 7月18日 |
清水一博 | 岩手 | 1977/5/25 | 47 | 7月18日 |
白川裕也 | 青森 | 1978/10/4 | 45 | 7月18日 |
石田岳彦 | 岩手 | 1981/7/31 | 42 | 7月18日 |
小酒大司 | 福島 | 1986/7/13 | 38 | 7月18日 |
井上善裕 | 埼玉 | 1975/4/13 | 49 | 7月18日 |
西田潤 | 富山 | 1966/1/22 | 58 | 7月23日 |
森山昌昭 | 福岡 | 1971/7/25 | 52 | 7月23日 |
鈴木純 | 神奈川 | 1972/11/25 | 51 | 7月23日 |
奥森敏 | 大阪 | 1984/7/13 | 40 | 7月23日 |
川西貴之 | 岐阜 | 1987/1/20 | 37 | 7月23日 |
鈴木咲香 | 愛知 | 2002/1/10 | 22 | 7月23日 |
海野晃 | 静岡 | 1967/01/01 | 57 | 7月26日 |
福間力 | 神奈川 | 1974/05/14 | 50 | 7月26日 |
竹元太志 | 福岡 | 1996/02/05 | 28 | 7月26日 |
西村尚文 | 鹿児島 | 1982/12/19 | 41 | 8月8日 |
廣木まこ | 福岡 | 1993/11/08 | 30 | 8月8日 |
稲村成浩 | 群馬 | 1971/12/18 | 52 | 8月9日 |
幸田光博 | 栃木 | 1971/06/16 | 53 | 10月3日 |
大田啓介 | 岡山 | 1974/08/04 | 50 | 10月8日 |
丹波靖貴 | 岡山 | 1974/10/12 | 50 | 10月21日 |
山本奈知 | 千葉 | 1986/06/06 | 38 | 10月24日 |
亀川史華 | 長野 | 1991/05/09 | 33 | 10月31日 |
佐藤学 | 栃木 | 1987/06/08 | 37 | 12月6日 |
勝瀬卓也 | 神奈川 | 1977/02/01 | 47 | 12月12日 |
高田隼人 | 千葉 | 1981/07/30 | 43 | 12月20日 |
神山雄一郎 | 栃木 | 1968/04/07 | 56 | 12月24日 |
小原伸哉 | 北海道 | 1987/10/26 | 37 | 1月9日 |
沖健一 | 高知 | 1971/11/01 | 53 | 1月14日 |
松尾誠 | 長崎 | 1974/09/18 | 50 | 1月14日 |
池川瑠威 | 広島 | 1998/04/10 | 26 | 1月14日 |
川本隆史 | 岡山 | 1977/04/11 | 47 | 1月14日 |
岡崎泰士 | 静岡 | 1969/2/9 | 55 | 1月17日 |
菊池崇史 | 愛媛 | 1967/7/21 | 57 | 1月17日 |
中畑利英 | 和歌山 | 1969/7/23 | 55 | 1月17日 |
中島義之 | 京都 | 1970/11/8 | 54 | 1月17日 |
廣瀬裕道 | 茨城 | 1973/12/26 | 51 | 1月17日 |
晴山裕之 | 東京 | 1977/3/18 | 47 | 1月17日 |
清水正人 | 千葉 | 1973/5/5 | 51 | 1月17日 |
中条憲司 | 兵庫 | 1977/4/3 | 47 | 1月17日 |
大平竜太郎 | 愛媛 | 2000/12/19 | 24 | 1月17日 |
山口真未 | 静岡 | 1991/12/12 | 33 | 1月17日 |
横山愛海 | 高知 | 2001/6/11 | 23 | 1月17日 |
板羽俊一 | 埼玉 | 1969/03/23 | 55 | 1月23日 |
辻本兼市 | 兵庫 | 1970/07/08 | 54 | 1月23日 |
野崎菜美 | 山口 | 1996/05/15 | 28 | 1月23日 |
渡邉泰夫 | 大阪 | 1968/12/17 | 56 | 1月27日 |
棟方次郎 | 青森 | 1973/12/30 | 51 | 1月27日 |
児玉利文 | 岐阜 | 1974/12/19 | 50 | 1月27日 |
清水吉康 | 東京 | 1978/4/17 | 46 | 1月27日 |
松本昌士 | 福島 | 1983/4/27 | 41 | 1月27日 |
福田礼佳 | 熊本 | 1995/9/24 | 29 | 1月27日 |
小林覚 | 神奈川 | 1962/11/04 | 62 | 1月28日 |
徳永真一 | 青森 | 1976/10/30 | 48 | 1月28日 |
組橋一高 | 香川 | 1973/06/29 | 51 | 1月31日 |
北野佑汰 | 香川 | 1999/04/20 | 25 | 1月31日 |
日吉克実 | 静岡 | 1995/05/08 | 29 | 1月31日 |
北村匡章 | 静岡 | 1973/04/19 | 51 | 1月31日 |
山口翼 | 茨城 | 1989/11/19 | 35 | 2月7日 |
金辺雄介 | 東京 | 1982/01/21 | 43 | 2月28日 |
高本旭 | 大阪 | 1989/11/28 | 35 | 2月28日 |
代謝宣告を受けた殆どの選手が40歳以上ですが、20代の選手も7名選ばれています。
2024年の代謝で引退した最年少は鈴木咲香選手で22歳。
活動期間は3年にも満たしていないことから、競輪がいかに厳しい世界なのかが分かりますね。
まとめ
今回は、競輪の代謝についてご紹介してきました。
勝利することを目指し、日々鍛錬を続けている選手にとっては残酷な制度である競輪の代謝。
対象となれば、選手としての引退を余儀なくされ、二度と復帰はすることはできません。
そんな競輪の代謝は、選手のレベルを一定以上に保つためにも必須の制度。
推しの選手が長く現役生活を続けるためにも、精一杯応援しましょう。